アルツハイマー病の新たな“共犯者”ミクログリア細胞の正体

公開日: 更新日:

 そのミクログリアがなぜタウやAβと共にアルツハイマー病の犯人として浮上しているのか?

「この細胞は、外からの刺激で活性化すると姿を変えて、神経栄養因子や保護因子を放出すると同時に炎症性サイトカイン、一酸化窒素、活性酸素、興奮性アミノ酸など神経細胞を傷害する“毒”を吐くことがわかったからです。その結果、過剰なAβを貪食して掃除するだけでなく、正常な神経細胞にもダメージを与えてしまうのです」

 ミクログリアがどんな状況で過剰活性化して暴走するかは不明だ。明確なのは「炎症」が活性化の引き金になることだ。

「いくつかのケースが確認されています。ひとつは手や足など脳から遠い場所の病気やケガで生じた炎症により活性化されるケースです。敗血症は細菌感染をキッカケに、細菌が吐き出す毒素が全身に広がり、多臓器不全やショックなどを引き起こす重大病です。その原因のひとつが細菌の細胞壁の表面にあって免疫活性を促すリポ多糖(LPS)です。LPSを実験用マウスに注射するとミクログリアが活性化することが確認されています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭