<3>「抗体検査」が陽性でも、だから安心…というわけではない
■抗体量が中途半端だと重症化を助長する可能性
まず、抗体検査で使われる検査キットの精度に問題があると指摘されている。東京大学先端科学技術研究センターは、イムノクロマト法の簡易検査キットで陽性だった人の約90%が精密検査では陰性だったと発表。キットで陰性の人は精密検査でも陰性だったが、ほとんどが偽陽性となると正確なデータは取れない。また、実際は陰性なのに「陽性=感染歴がある=抗体ができている」と思い込んで安心してしまう人が出てくる点も懸念されている。そもそも、本当に陽性だったとしても、現時点では「抗体=免疫ができたから安全」とは言えない。
「新型コロナウイルスは抗体ができたとしても、それで感染を防げるのか、人にうつすのを防げるのかどうかはっきりしていません。また、どんな種類の抗体がどれくらいの量があれば効果があるのか、効果があったとしても一度できた免疫の効果がどれくらい持続するのかもわかっていないのです。新型コロナウイルスと近縁のSARSでは、生きたウイルスに感染した場合、抗体は2年もつといわれているので同程度だろうと予測されています。しかし、再感染や再燃するという報告もあり、確実ではありません」(本間氏)