口腔<下>病気につながる口の老化を防ぐ食べ物と唾液の出し方
「1食1品は、噛みごたえのある食べ物をメニューに取り入れてもらいたいと思います。簡単に言えば『カリッ』『コリッ』と、噛んだときに音がする食べ物です。また、朝と夜の1日2回、ガムを5分程度噛むのもいいでしょう。虫歯になりにくい、義歯に付かないタイプのガムが売られています。1カ所で噛まず、左右両側を均等に使って噛んでください」
もうひとつ食事指導がある。噛めない人は栄養バランスが悪くなりやすい。1日トータルで10種類の食材を食べるようにする。具体的には「魚類」「肉類」「油を使う料理」「乳製品」「緑黄色野菜」「海藻類」「芋類」「卵料理」「大豆類」「果物」だ。1食材を1点として、1日7点以上目指すといいという。
それと年を取って食事の際に気になるのが、唾液の分泌量の低下だ。口が乾いていると、噛み潰した食べ物が飲み込みにくく、むせやすい。唾液量は加齢で減少するが、持病の薬の副作用でも起こる。抗高血圧薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン作用薬、抗うつ薬、抗不安薬、利尿薬、鎮痛薬、気管支拡張薬など、薬の種類によって唾液の分泌を減少させる場合があるので、気になる人は主治医に相談しよう。