口腔<下>病気につながる口の老化を防ぐ食べ物と唾液の出し方
加齢とともに口の機能が低下していく状態を「オーラルフレイル(口の虚弱)」という。しかし、ゆっくり進行するので、自分ではなかなか気づきにくい。次のような「ささいな口の不調」があったら、口の危険な老化のサインと思った方がいい。
▼口が乾きやすい▼飲み込みにくい▼むせる、食べこぼす▼滑舌が悪くなった▼やわらかい物を好んで食べる▼食欲がない、少ししか食べない。
オーラルフレイルになると、「誤嚥性肺炎」「認知症」「糖尿病」「感染性心膜炎」「引きこもり、うつ」などの病気になりやすいことがわかっている。また、食事が楽しくなくなるので、食欲が低下する。そうなると次第に低栄養となり、最終的に全身の機能が低下する「フレイル(虚弱)」につながるとされている。
オーラルフレイル対策としては、高齢者向けには舌や口を動かす「健口体操」などの指導が行われている。しかし、前に挙げたオーラルフレイルの「ささいな口の不調」のサインは、50代ごろから顕著に表れてくる。日常で、どんなことに注意しておくべきなのか。東京都健康長寿医療センター・歯科口腔外科の平野浩彦部長が言う。