子供の「眠れない」を放置すると不登校や成長の妨げを招く
「子供への承認がない中で使えば、薬害が生じた時、国からの補償が一切ない。それでも、子供の睡眠障害の放置は不登校につながりかねず、薬を使わざるを得ませんでした。しかし3月、『小児期の神経発達症に伴う入眠困難』を対象にしたメラトニンが初めて承認されたのです」
対象は、臨床試験で安全性・有効性が確認された6~15歳。メラトニンはもともと体内にある物質で、それを補充する今回の薬では重篤な副作用は認められていない。3カ月間を目安に使うこととされている。
「メラトニンを1日1回経口投与した子供たちは睡眠障害だけでなく、神経発達症特有の日中の異常行動の改善がみられ、日中の機嫌も改善。薬で質の高い睡眠を取れるようになったことで、睡眠の重要性を理解でき、薬をやめた後も、よい睡眠環境を子供自ら維持できるようになるケースが珍しくありません」
睡眠障害は不登校だけでなく、将来的に子供の心身に多大な影響を与える可能性がある。なぜなら睡眠は、脳内物質や成長ホルモンなどの分泌に関係しているからだ。
親から見て「もしかして」と感じられる場合は、まずは小児科医へ。