感染封じ込め成功国からの帰国<4>アルバイトのような隔離生活
猛暑日が続く8月中旬、台湾から帰国した古川亮一さん(仮名・社会福祉団体職員=40)は、成田のAホテルに“隔離”された。
連泊、2週間の滞在である。新型コロナウイルス対策の「特別対応」で、部屋の清掃はない。滞在4日目、部屋は汚れ、ベッドのシーツにも汗が染み込んだ。
フロントに電話をかけ、「シーツの交換をお願いできますか?」と申し出ると、部屋の前に、ビニールに入ったシーツが届けられた。
バスタオルや歯ブラシ、歯磨きも、使用済みは常備されているビニール袋に入れ、口を縛って部屋の外に置く。回収されて、代わりに新品が置かれる。
ゴミもそうである。ただし分別作業があり、燃えるゴミとペットボトルは一緒のビニール袋。缶や瓶は、別の袋に入れて部屋の外に出す。
1週間も浴槽を使用すると、汚れてくる。
「フロントに連絡して『洗剤を購入して洗いたいのですがいいですか』と聞くと、『結構ですが、掃除する布製品はホテルで常備しているものをお使いください』と言われました。客でなくアルバイトみたいでした」