感染封じ込め成功国からの帰国<4>アルバイトのような隔離生活
古川さんは台湾の大学に留学し、卒業後そのまま台湾で仕事に就いた。友人関係も良好で仕事にも不満がない。ただ、独身で外食が多い古川さんは、こってりとした台湾料理には不満があった。あっさりとした日本食が食べたい。数年ぶりに帰国した日本での食事は納豆、豆腐、漬物、焼き魚と決めていた。
「ところが、ホテルの隔離で希望する食事は無理でした。ホテル側から何店かデリバリーサービスの店を紹介されました。でも、注文料理はピザとか焼き肉、天丼、かつ丼の類いが主流です」
仕方なく近所のコンビニで野菜サラダやおにぎりなどを購入し、部屋で食べる生活が続いた。
そんな古川さんに、なぜ台湾はコロナ封じ込めに成功したのかを聞いた。
「SARSが流行したとき、台湾では346人が感染し、37人が死亡しました。その記憶から、動きだしが早かったことが成功の理由でしょう」
台湾に初めてコロナ情報が寄せられたのは、昨年の12月30日。2日後の1月1日には日本の厚労省に当たる「衛生福利部」が緊急会議を開き、飛行場に検査機関を設立。外国から台湾に訪ねてくる全員の検査を始めた。