日本独自データから見る新型コロナ「第1波」「第2波」の実像
国立国際医療センターの研究グループは、2020年9月4日までに登録された345施設の6070例を対象に中間解析を実施した。その際、6月5日以前に入院した症例を「第1波での入院例」、6月6日以降に入院した症例を「第2波での入院例」に分類した。なお、入院時重症例を、「酸素投与」「人工呼吸器管理」「SpO2(酸素飽和度)が94%以下」「呼吸数が24回/分以上」のいずれかに該当するものとした。
第1波に比べ第2波は、①高齢者症例の割合が低下②入院時に重症だった症例の減少③発症から入院までの日数の短縮が明らかになった。③は発症日の記録があり、入院日が発症日よりも遅い症例のみの解析結果である。第1波の入院症例では、発症から入院までの日数が平均7・6日に対し、第2波では5・1日だった。また、入院した症例を、「0~29歳」「30~49歳」「50~69歳」「70歳以上」と年齢階層別に解析したところ、第1波に比べて第2波では、(1)全年齢層において、入院時に重症だった症例の割合が低下。(2)全年齢層で、入院後の死亡率が低下。(3)入院時に軽症または中等症だった症例のみを対象としても、全年齢層で入院後の死亡率が低下(ただし0~29歳は0・0%で同率)。(4)入院時に重症だった症例のみを対象としても全年齢層で入院後の死亡率が低下していたことがわかった。