米でコロナ感染者が増えているのに死亡率が下がっている理由
10月末の時点で新型コロナ感染者の累計が900万人を超えたアメリカでは、1日の感染者数も8万人を超え、新たなピークを迎えています。ただ現在の1日の死亡数は1000人。今年4月の感染者は1日3万3000人、死者2700人だったので死亡率は激減しています。その理由について論争が起こっています。
感染者が増えた理由として、検査体制が大幅に拡充したことが挙げられます。死亡率が減ったのは、若者の感染が増えたからだという説がこれまで最も有力でした。当初、高齢者を中心に多くの患者と犠牲者を出したコロナは8月下旬以降は感染者の平均年齢が40歳以下に下がっています。
そうではなく、「効果的な治療法が発達したからだ」と主張するのが、ニューヨーク大学の医療研究チームです。医学誌「ジャーナル・オブ・ホスピタル・メディシン」に発表された調査結果によれば、入院したコロナ患者は年齢や性別、既往症の有無にかかわらず、3月には25・6%だった死亡率が、8月には7・6%まで下がっていることが分かりました。当初は未知のウイルスに対して手探りだったのが、経験値により効果的な治療法や薬の選択ができるようになってきたことが大きいとしています。