がんの抑制に期待 古くて新しい薬「メトホルミン」に注目
乳酸アシドーシスを起こしにくいタイプのメトホルミンが登場したこともあり、現在では、欧米では2型糖尿病患者のファーストチョイスの薬とされています。
日本では、ガイドラインで明確に「ファーストチョイス」とはされていませんが、ほぼファーストチョイスまたはセカンドチョイスで入ってくる薬です。
メタボタイプにはファーストチョイスになることが多いですね。私の患者さんで言えば6~7割の人に使っています。
DPP―4阻害薬という新しい糖尿病治療薬とメトホルミンの合剤も登場。これら2つの薬の併用で血糖コントロールがよりうまくいった例も報告されており、利便性が高まっています。
■腸内フローラにも関係
メトホルミンが今注目を集めているのは、糖尿病以外の効果も研究で分かってきたからです。
それは、がんのリスクを低くする可能性です。メトホルミンはインスリンを増やさず、肝臓などで「AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)」を活性化させ、がんの発症を抑制すると考えられています。