自殺防止に役立つか ほぼ毎日のLINEが「コロナうつ」に関係
■「変化」が良くない可能性
もうひとつは、生活スタイルや運動との関係。生活が不規則な人ほど、うつ病や自殺念慮の割合が多かった。
「男女とも夕食時間が不規則な人は、うつ病や自殺念慮の割合が高まっていました。女性では就寝時間、男性では仕事や学校の開始時間の不規則さも関係していました」
生活の不規則化は体内時計が乱れ、うつ病だけでなく、さまざまな心身の不調を招くことは医学的にも知られており、「コロナ禍の過ごし方」として国際学会が共同声明を出しているほどだ。第1波到来の際には、日本うつ病学会からもその翻訳が発表された。今回の研究から、実際の“コロナうつ”に関しても体内時計のメンタルにおける重要性が示唆されたとも言える。
運動に関しては、特に歩数や運動量が多いからといって、うつ病や自殺念慮が少ないという結果には至らなかった。しかし興味深いのは、「運動量が昨年より減った」人では、うつ病や自殺念慮の割合が高かった点。
「因果関係などの解釈には注意が必要なものの、年収や生活スタイルについても言えますが、『変化』が特に良くないのではないかと考えています」
コロナ禍収束のめどはつかず、その先行きは誰にもわからない不安定な状況だ。そんな中、心身の健康を保つための土台として、規則正しい生活を送り、困ったことがあればSNSでもよいので連絡を取れる相談相手を充実させていきたい。