高齢になると頑固になり過激な意見を持ちやすくなる理由
その結果、世間一般で言われがちな「ネットを利用したコミュニケーションが政治的な意見を過激化させる」という傾向は乏しく、単純に年齢が高い人ほど過激的な意見を持っている人が多いことが分かったのです。
つまり、ツイッターをはじめとしたSNSの影響で過激化する人は実際には多くない。むしろ、若い人たちほどネットで多様な意見に接しており、過激な意見に振れるといった分極化はしていなかったそうです。
一方、高齢者ほど中庸な意見と過激な意見の分極化がはっきりしていた。興味深いことに、アメリカでも分極化の変化を調べた調査(2017年)があるのですが、「分極化が起きているのは、65歳以上のインターネットを利用していない層」であると報告されています。日本だけの傾向ではないんですね。
では、多様な意見に接するには、ネットを利用すればいいのか?
そうではありません。大切なのは、身近な範囲からで構わないので、新しいモノや情報に触れること。ひとつの物事や発想に執着・没頭していると、その行為に脳が最適化していきます。一見、集中力が高まり良いように見えますが、落とし穴があります。脳が柔軟性を失い、選択肢が狭まり、悪い意味で脳が最適化してしまうのです。過激な意見を持ちやすいということは、言い換えれば、「俺は間違っていない」という頑固な発想が根付いているわけで、脳が悪い方へ最適化している証左でもあります。