「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

公開日: 更新日:

 マムシに咬まれたら、すぐに病院で抗血清を注射しないと死んでしまう――。多くの人はそう思い込んでいるのではないか。しかし、実情はまったく異なるようだ。長浜バイオ大学(医療情報学)の永田宏教授に話を聞いた。

 毒ヘビに咬まれたら、治療の基本は抗血清だ。対象となるヘビから毒を採取し、これを馬に打って免疫をつくらせ、その血液から抗体成分を精製する。抗体は免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質で、乾燥した粉末がバイアル(小さなガラス瓶)に封入されて出荷される。これを生理食塩水で溶いて患者に注射すると、免疫グロブリンがヘビ毒の成分と結合して中和してくれるのだ。

 しかしマムシ咬傷は事情が少々複雑で、実際に抗血清が使われるのは、患者の5割から6割に過ぎないという。

「理由のひとつは、マムシ咬傷の2~3割が無毒か、ごく微量の毒にとどまっている無毒咬傷だからです。グレードⅠ(腫れが咬まれた箇所に限局している状態)で救急搬送されてくる患者の何割かは、時間が経過しても腫脹がほとんど拡大せず、痛みもすぐに治まっていく。そうした例は無毒咬傷と考えられます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    橋本環奈は8人も…著名人のマネジャー「辞めた」「クビになった」の過去を振り返る

  2. 2

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  5. 5

    日本ハム大砲レイエスの原動力は「7人の子供たち」…二軍でも手を抜くどころか元気いっぱい

  1. 6

    フジテレビ上垣皓太朗アナを先輩アナが「容姿イジリ」→約4カ月後に大炎上のウラ

  2. 7

    甲斐拓也だけじゃない!補強に目の色変えた阿部巨人が狙うソフトバンク「Cランク」右腕の名前

  3. 8

    元「相棒」と明暗クッキリ…反町隆史「オクラ」の不発は“凸凹コンビではない”にあり

  4. 9

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  5. 10

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏