「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

公開日: 更新日:

 2つ目の理由は、抗血清がもたらす副作用にある。投与後、数日から2週間ほどのうちに、発熱、関節痛、皮膚のかゆみや発赤などのアレルギー反応が出たり、腎障害が表れたりする。

「これを『血清病』といい、マムシ抗血清では約12%の患者に生じます。さらにアナフィラキシーショックを起こすケースもあります。投与を開始した直後から表れることが多く、呼吸困難が生じ、危険な状態に陥ることもあります。その出現頻度は3%程度です」

 一方、マムシ咬傷の致死率は0・5%程度(2014年の全国調査では0・8%)。あえて抗血清の危険を冒すべきか、微妙なところなのだ。

「そのため搬送されてきた患者のうち、グレードⅠとⅡ(手関節または足関節までの腫脹)の患者には、すぐに抗血清を打たず、入院させてしばらく様子を見るのがデファクトになっています」

 その代わり「セファランチン」という薬剤を注射する。数十年前から行われている治療だが、この薬は円形脱毛症などにも使われるもので、マムシ毒にどれだけ効果があるのか、本当はよく分かっていないというから驚きだ。

■関連キーワード

最新の健康記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  2. 2
    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

  3. 3
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4
    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

    「今市事件」服役中の勝又拓哉受刑者「『有希ちゃんを殺してごめんなさい』って50回言わされた」

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

  1. 6
    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

    杉咲花&若葉竜也「親密報道」後も評価上昇 「アンメット」の演技にはゴシップを超える力がある

  4. 9
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 10
    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見

    まるで大使館…剛力彩芽&前澤社長の“100億円豪邸”を発見