「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

公開日: 更新日:

 またグレードにかかわらず「乱切」と呼ばれる治療が行われることがある。咬まれた部分を中心に、深さ数ミリ、長さ数センチにわたって皮膚に切れ目を何筋も入れて、毒を排出させるという治療だ。マムシ咬傷は外科医が担当することが多いため、乱切は全国の病院で行われている。しかし、これは効果がないばかりか、感染症のリスクが増してマイナス面が多いという意見もあるので、今後は減っていくかもしれないという。

「多くの文献には『破傷風予防のためにトキソイド(破傷風予防ワクチン)を注射せよ』と書かれています。しかしマムシに咬まれて破傷風になったという症例報告はほとんどありませんし、打たなくても問題ないという医者も少なからずいます」

■正式な治療ガイドラインはない

 マムシ咬傷の治療は主に地方の病院で行われ、しかも1病院当たり多くても年間数例であるため、全国的な症例の蓄積が進まず、いまだに正式な治療ガイドラインが作られていない状況だ。

「暫定的なフローチャートはあるのですが、エビデンスが十分でないので、どんな治療を行うかは担当する医師に委ねられています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  4. 4

    金田ロッテはキャンプ中に「生理(性処理)休暇」を堂々と導入!監督就任翌年に日本一を達成した

  5. 5

    故みのもんたさん 闘病生活の中で本紙に語っていた「老い」と「人生最期の願い」

  1. 6

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希まさかの「先発白紙」はむしろプラス…《メジャーレベルではない》の声も

  3. 8

    山田涼介のソロ活動活発化で“亀梨和也のトラウマ”再燃…Hey! Say! JUMPファン戦々恐々

  4. 9

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇