「マムシ咬傷」の治療法は医師任せ 抗血清の使用は5~6割

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 またグレードにかかわらず「乱切」と呼ばれる治療が行われることがある。咬まれた部分を中心に、深さ数ミリ、長さ数センチにわたって皮膚に切れ目を何筋も入れて、毒を排出させるという治療だ。マムシ咬傷は外科医が担当することが多いため、乱切は全国の病院で行われている。しかし、これは効果がないばかりか、感染症のリスクが増してマイナス面が多いという意見もあるので、今後は減っていくかもしれないという。

「多くの文献には『破傷風予防のためにトキソイド(破傷風予防ワクチン)を注射せよ』と書かれています。しかしマムシに咬まれて破傷風になったという症例報告はほとんどありませんし、打たなくても問題ないという医者も少なからずいます」

■正式な治療ガイドラインはない

 マムシ咬傷の治療は主に地方の病院で行われ、しかも1病院当たり多くても年間数例であるため、全国的な症例の蓄積が進まず、いまだに正式な治療ガイドラインが作られていない状況だ。

「暫定的なフローチャートはあるのですが、エビデンスが十分でないので、どんな治療を行うかは担当する医師に委ねられています」

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