著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

事故の骨折でも骨粗しょう症のように骨折を繰り返すしやすくなる

公開日: 更新日:

 高齢化社会で問題となる病気はたくさんありますが、その中でも将来的な寝たきりのリスクになるのは、「認知症」と「骨粗しょう症」です。この2つの病気は決して無関係ではありません。認知症があると危険を体が察知しにくくなるので、転んだりする危険も増しますし、骨粗しょう症があれば、それだけ転んだ時に骨折する危険も増えます。その2つがあると寝たきりになる可能性がより高くなるのです。

 骨粗しょう症で典型的な骨折は、はっきりした外傷(自動車事故や高い場所からの転落など)がないのに起こる骨折です。そうした骨折があると、骨折を繰り返す危険が非常に高くなり、寝たきりになるリスクも増加するのです。

 それでは、事故など明らかな外傷による骨折には、そうしたリスクはないのでしょうか? その点については、これまでのガイドラインでもあまり触れられていませんでした。今年の米国医師会の内科専門誌に、外傷性の骨折とそうでない骨折とを比較した、臨床試験結果が報告されています。閉経後の女性6・6万人余りを調査したところ、外傷性の骨折でも非外傷性の骨折でも、同じように骨折をその後も繰り返すリスクが増加していました。

 中年以降で起こる骨折は、それが事故によるものであっても、運動食事に注意することが何よりの寝たきり予防になる。そう考える必要があるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース