著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

太極拳がメタボに有効って本当なのか?米医学専門誌で報告

公開日: 更新日:

 健康診断でお腹回り(腹囲)を測定するのは、それが内臓脂肪の量と関係があるからです。内臓脂肪が増えると、膨れた脂肪細胞からホルモンのような物質が産生され、それが血糖値を上昇させたり、動脈硬化を進行させたりする原因となることが分かっています。内臓脂肪が多いメタボの状態は、多くの生活習慣病の予備群と言っていいのです。

 内臓脂肪を減らすためには運動が大切といわれます。それでは、どのような運動が良いのでしょうか? 今年の米国内科学会が発行する医学専門誌に、「太極拳のメタボ改善効果」を検証したユニークな論文が掲載されました。香港で50歳以上のメタボの人に、有酸素運動と筋トレを組み合わせた通常の運動を指導した場合と、太極拳を指導した場合を、何もしない場合と比較して、3カ月の経過観察を行ったのです。

 その結果、何もしない場合と比較して、腹囲は通常の運動で1・3センチ、太極拳では1・8センチ減少していて、体重も減少傾向が認められました。また、血液では善玉コレステロールの改善が、太極拳群でのみ認められたのです。これは中国での研究ですから、太極拳が文化として根付いている点も大きいと思いますが、それを差し引いても注目の結果です。健康のために良い運動は何か、という点については、いろいろな意見がありますが、むしろ「体を動かそう」という気持ちそれ自体が、健康の秘訣であるのかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主