抗がん剤の点滴治療を受けた日に熱中症に見舞われて…
朝から日差しが強い暑い日のことです。再発した卵巣がんで治療中のCさん(50歳・女性)は、日傘を持って、帽子をかぶり、マスクをして、朝7時に病院へ向けて自宅を出ました。朝、歯を磨いた時に少し水を飲んだだけで、病院で採血することを考えて食事はとりませんでした。
最寄りのA駅まで20分ほど歩き、電車に乗り、9時前に病院に着いて採血を待つ患者の列に並びました。
採血が終わって約1時間後、担当医から結果を聞いて、予定通りその日に抗がん剤治療ができるかどうか指示が出ます。点滴治療で抗がん剤のほかに吐き気止めの投与もあり、1時間くらいかかります。
問題なく抗がん剤の点滴が終わり、午後3時ごろにA駅まで戻ってきました。駅前にタクシーは見当たらず、強い日差しが降り注ぐ暑い中、Cさんは日傘をさして自宅まで歩くことにしました。
ふと考えてみると、朝、自宅を出てからは水も飲まず、何も食べていません。しかし、抗がん剤治療後の嘔気が気になって、飲食は自宅に帰ってからにしようと思いました。