お金を貸すほど、その相手に好意を抱きやすくなる
ついつい気が大きくなり、自分が全額を支払ってしまう。あるいは、腐れ縁、親友の類いだからと自分が支払ってしまう。
「いつか返してもらえればいいから」なんて口にするけど、気が付くとまた自分が支払っている――。
はたから見れば、貸し借りのない気持ちの良い関係性に見える気もします。ですが、そういった“なんとなく”でお金のやりとりをするのは考えものです。心理学者のジェッカーとランディーは、「お金を貸すほど、その相手に好意を抱きやすい」という研究結果(1969年)を明らかにしています。
彼らは、「助けた相手に対してどのような気持ちを抱くか」について実験を行っているのですが、これが興味深い。まず、被験者に課題を出し、正解するたびに報酬を与える。その報酬は60セントまたは3ドルを受け取るように設定されており、全ての課題が終わった後、被験者に対して次の3つのアクションを起こしました。
①実験者自身が「研究資金が足りないのでお金を返して欲しい」と直接頼む②第三者が「研究資金が足りないらしくお金を返して欲しい」と間接的に頼む③お金を渡したままにしておく。