著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

お金を貸すほど、その相手に好意を抱きやすくなる

公開日: 更新日:

 その結果、被験者がもっとも実験者に好意を抱いた行動は①だったというのです。しかも、60セントの報酬を返却した人より、3ドルの報酬を返却した人の方が、より実験者に好意を感じていたというから驚きです。

 つまり、人の頼み事を聞くと、不快に思うのではなく、むしろ好意を抱きやすくなる傾向がある。さらには、頼み事の負担が大きいほど、好意の度合いも大きくなるという点もわかったそうです。

 たとえば、大金を貸す場合、皆さんは「あの人なら絶対に返す」と信用した上で貸すと思われます。もし、その人が返済期日になっても返さない場合、あなたはどう思うでしょう? きっと、「あの人にも事情があるんだろう。近いうちに連絡をくれるだろうし、遅れても絶対に返す」などと思うのではないでしょうか。“思う”よりも、“思いたい”“思い込む”に近いかもしれません。

 行動と気持ちが矛盾する「認知的不協和」という状況に陥ると、人間は一貫性を保とうとしてつじつま合わせの行動や言い訳をします。ギャンブルがやめられない自分に対して、「ギャンブルがあるから自分は精神的に豊かなんだ」と思い込むことが、「認知的不協和」です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…