首が痛くて動かせない…病気が原因?改善法はあるのか

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 首が痛くて動かせなかったり、動きづらいという場合、ほとんどは筋肉の痛みによるものです。たとえば首や肩周辺の血流が滞ることによる「筋肉痛」や首の筋肉が突然炎症を起こす「ぎっくり首(筋膜炎)」が挙げられます。

 また、頚椎の変形による「頚椎症」、椎間板が原因の「頚椎椎間板ヘルニア」といった関節の変形が原因の病気のケースもあります。それ以外にも神経や骨にできる悪性腫瘍による影響で、肩が動かなくなるほどの激痛を感じる方がいます。

 まれに難病が発覚することもあります。ある患者さんは、「首が痛くて動かせない方向がある」と相談に来ました。脊柱の骨をつなぐ靱帯が骨のように硬化する「脊柱靱帯骨化症」でしたが、他の病院では見逃されていました。「病院を回ったけれど原因が分からず、何カ月も症状が緩和しない」と話されていました。最終的にはCTで確定診断となりました。

 ただ、首の痛みで実際に来院される患者さんは8割がぎっくり首と診断されています。「ある朝起きたら首が痛かった」「仕事をしているうちに痛みが出て耐えられない」といった症状があって、1~2日様子を見て改善しないなら診察を受けましょう。特に原因が見つからなかった場合、筋膜の炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛剤を処方して様子を見ます。症状が長引けばCTやレントゲンによる精密検査を行います。

▽井上留美子(いのうえ・るみこ)1996年聖マリアンナ医科大学卒業。日本整形外科学会認定医、同学会認定スポーツ医、同学会認定リウマチ医など。NHK「あさイチ」をはじめ、メディア出演多数。

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