堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「社会的手抜き」をなくすことが仕事の効率化につながる

公開日: 更新日:

 昨年12月は、コロナが若干落ち着きを見せていたこともあり、久しぶりに忘年会を楽しんだ方も多かったのではないでしょうか? 現在、また感染者数が伸びているので油断禁物ですが……。

 飲み会にまつわる興味深い考察があります。それは、「割り勘のジレンマ」。

 たとえば、アルコールが飲めないため、ソフトドリンクだけを飲む人がいたとしましょう。ソフトドリンクは、アルコール類に比べると安価です。しかも、会計は割り勘と事前に伝えられている。これではお酒が飲めない人はフェアだと思えず、納得がいかないかもしれません。

 そのため、飲めない人の中には、「ちょっと高めの料理を頼んで、多めに食べてやろう」なんて考える人もいるでしょう。その心理こそ、割り勘の落とし穴です。このように、参加した多くの人が「割に合わない」ことを避けたいがために、「損しないように多めに飲んで(食べて)やろう」などと考えてしまう。

 すると、どうなるでしょうか? 当然、飲食代は膨れ上がっていきますよね。一人一人が自分の利益を優先して取った行動が、最終的に自分たち全員のコストを増大させている。これが「割り勘のジレンマ」です。実は、全員がコストを高くした共犯者とも言えるのです。

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