アセトアミノフェン 安全性は高いが使い過ぎると肝障害のリスク
日本でも、21世紀に入ってからアセトアミノフェンを再評価する動きがあり、多く用いられるようになっています。関節リウマチなど炎症を伴う激しい痛みには不向きですが、慢性腰痛に対しては有効性と安全性が高いことが考慮され、腰痛診療ガイドラインではNSAIDsとともに第1選択とされています。また、慢性疼痛(とうつう)治療ガイドラインでも同じく使用が推奨されています。
ただし、安全性が高いといっても、注意しなければならない点もあります。NSAIDsで見られるような胃腸障害や腎障害の副作用は比較的少ないとされていますが、問題となるのは肝障害です。
アセトアミノフェンは、現在は1日に最大4000ミリグラムまで使用することが可能ですが、総量1500ミリグラムを超える高用量を続ける場合は肝臓に負担がかかるとされ、定期的な肝機能検査を行うなどの注意が必要です。
アセトアミノフェンは市販の総合感冒薬にも含まれているケースもあります。アセトアミノフェンのほかにも使用している医薬品があって不安な方は、薬剤師に相談してください。