著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

凍結肩のリハビリと内視鏡手術の中間の治療「非観血的関節受動術」とは

公開日: 更新日:

 今回は中高年の肩痛で頻度の高い「凍結肩」に対する治療法、非観血的関節授動術についてお話しします。

 凍結肩の硬さを取る治療としてリハビリや内視鏡手術を紹介してきましたが、今回の治療法は、その中間に位置します。

 まず私たちが痛みを感じるためには、全身に伸びる神経の働きが大事です。肩周辺に伸びる神経が、肩の異変を痛み刺激として捉え、その情報が首を経由して脳に伝わり「痛い!」と感じます。

 そこで脳から肩に伸びる神経に対し、途中の首のところで神経にブロック注射をすることで、肩周辺の痛みを感じなくさせるのです。局所麻酔と比べると広く深い範囲の痛みを感じなくさせますが、全身麻酔と比べると目が覚めている状態が違います。

 このブロック注射の後、医師が腕をあらゆる方向に愛護的かつやや強めに動かし、固まっている肩の深部にある靱帯(関節包)を外側から引き伸ばすことで一気に動きを取り戻すのです。皮膚を切らないため血を「観る(観察する)」ことなく関節に動きを授けられるので「非観血的」関節授動術(サイレントマニピュレーション)と呼びます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…