AIを活用した「人工膵臓」の開発 チューブ不要のパッチ式
5年以内に実用化決定
人工膵臓で構成される機器は、パッチ式インスリンポンプは自社製品を使うが、足りない技術は海外企業との提携によって補う。パッチ式インスリンポンプは、インスリンを送るチューブのない構造のポンプで、2018年にテルモが国内初の製品を発売している。
持続血糖測定器は18年に提携し国内での独占販売権を取得しているデクスコム社(米)の最新機種を採用。スマホ型端末はダイアベループ社(仏)が開発したインスリン投与制御アルゴリズムを搭載した専用端末を使用する。ダイアベループ社はすでにパッチ式でないチューブ式のインスリンポンプを販売する会社と提携して、連動させたAIDシステムを欧州で展開している。欧米のAIDシステムは、どれもチューブ式のポンプを使っているという。
「従来のチューブ式インスリンポンプは、ズボンのベルトループなどに常に装着しておく必要があり、トラブルの原因にもなりました。比べてパッチ式は患者さんにとって装着の抵抗感が少なく、パッチ式を使ったAIDシステムが実現すれば、治療効果とQOL(生活の質)を同時に向上できると期待しています」
今後、5カ年中の実用化を目指しているという。