希少がんのひとつ「小腸がん」はなぜ少ないのか 免疫機能が関係
腸内でも多くの免疫機能を担っているのが、小腸にある「パイエル板」と呼ばれる器官です。パイエル板は小腸の粘膜固有層の中のリンパ小節が平面的に集合したものです。パイエル板の外側にはM細胞という免疫細胞が存在し、異物を発見すると樹状細胞に情報が伝達されます。樹状細胞は免疫の指令役を務めるヘルパーT細胞に異物の情報を渡し、B細胞が活動し始めます。するとB細胞が抗体をつくり、異物を攻撃することができるようになるのです。こうした免疫システムを備えていることもあって、小腸ではがんが発生しにくいとされているのです。
■カプセル内視鏡で検査できる
小腸腺がんは小腸の前半部分に好発し、およそ45%が十二指腸、35%が空腸、20%が回腸に発生するとされます。つまり、半数近くが十二指腸がんです。早期がんでは無症状であることが多く、内視鏡検査でたまたま十二指腸がんが発見されるという場合も結構あります。十二指腸の病変が進行すると、胆汁の出口を塞いでしまうことで黄疸を来すこともあります。