希少がんのひとつ「小腸がん」はなぜ少ないのか 免疫機能が関係
十二指腸の奥、より肛門側に病変がある場合、通常の内視鏡による観察は不可能です。そのため、大半の患者さんは、便潜血検査で陽性、貧血の進行、腸の狭窄による腹痛や腸閉塞といった症状を契機に、高度に進行した状態で発見されます。
小腸の検査はX線造影検査、カプセル内視鏡検査などが考えられます。カプセル内視鏡が登場した時は、これをのめば消化管全体の検査ができると思われたのですが、すべてがこれで解決できるわけではありません。
カプセル内視鏡のメリットは、カプセルをのむだけで済む(のみ込んだカプセル内視鏡は便とともに排出される)ため、手軽で放射線被曝の心配がないところです。疾患によって保険も適用されます。ただし、組織検査はできません。
カプセル内視鏡による検査は、原因不明の消化管出血、腹痛、下痢などで小腸疾患が疑われる場合に行われます。
また、大腸を調べる目的でのカプセル内視鏡もあります。これは、通常の大腸内視鏡検査ができない場合、たとえば腹部に手術歴があって癒着が想定されるために実施が困難と判断された方や、内視鏡を奥まで挿入できなかった方に対して行われます。カプセル内視鏡検査を行う必要があるかどうかは、病院の消化器内科、外科の医師が判断すると思います。
費用は保険適用の場合は約3万円です。入院しなければならない検査ではありませんから、発見しにくい小腸疾患の疑いがある方におすすめしたい検査です。