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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

政府や専門家は「オミクロン株」をどう見ているのか…医療情報学教授が分析

公開日: 更新日:

 WHO(世界保健機関)のホームページにはいまでも、オミクロン株は「デルタを含む他の変異株に感染した場合と比較して、より重症化するかどうかはまだ明らかではない」と書かれている。そのためか、日本政府のコロナ対策も、社会・経済活動の本格的再開には消極的である。しかしこれは、われわれ庶民の感覚と乖離しているように思われる。実際どうなのか、政府関係の公式資料をもとに検討してみよう。

 まず国立感染症研究所が今年の2月18日に発表した、「SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第5報)」だ。入院患者139人を対象にした調査で、サンプル数が少ないのは気になるが、重要な事実が書かれている。

 この139人のうち、実際に肺炎を発症していたのは7人にすぎなかったというのである。

 入院患者は主に重症者で占められ、多くが肺炎にかかっていると思っていた人も多いと思うが、かなり拍子抜けな数字だろう。しかも残りの患者の主な症状は、咳(56.8%)、発熱(56.1%)、咽頭痛(41.7%)、鼻汁(32.4%)など、いわゆる上気道炎(普通の風邪)に共通するものだった。

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