カテーテルによる補助人工心臓はさらに進化する可能性もある
一般的なEVは、従来のエンジンがあった場所にモーターが配置されています。しかし、技術の進化によってモーターが小型化され、新しいEVでは、前2輪と後2輪のホイール内に1個ずつモーターを配置して制御するタイプが登場しています。1モーターよりも、2モーターの方が当然ながらパワーは大きくなります。さらに、いまは前後の4輪それぞれに計4個のモーターを搭載する4モーターの開発が進んでいます。より車体をコントロールしやすく、操作性や操縦性が高まるといわれています。
補助人工心臓は、弱った心臓が拍動して少しでも血液を送り出していれば、モーターでプロペラを回して血流を生み出します。ということは、モーターを含めた装置がさらに小型化されれば、心臓が全身に血液を循環させる際に不具合がある箇所にそれぞれモーターを設置し、血流を適正配分することができるようになる可能性があるのです。
たとえば、心臓から脳に向かう上行大動脈の心臓の出口に1個、腹部の臓器に向かう場所に1個、下肢に向かう場所に1個といったように配置し、その3個のモーターがリズミカルに連動するようにコントロールするペースメーカーのような機器を設置すれば、体の動きに応じてモーターを動かし、脳、内臓、足の血流が守られるようになるのです。