カテーテルによる補助人工心臓はさらに進化する可能性もある
ただ、インペラはあくまでも一時的に心臓の機能を補助する装置で、数カ月から数年にわたるような長期間の補助はできません。
新モデルも継続して使用できる期間は30日とのことです。インペラでポンプ機能を補助している間に心臓を休め、心臓の回復を待つのです。
今回の手術は、心臓の切開手術を受けた後に心原性ショックを起こした80代の男性に対して実施され、インペラを留置して治療を続けた男性は2週間ほどで回復して装置を取り外し、その後はリハビリを続けているといいます。
インペラはカテーテルやポンプが非常に小型なので、これまでの補助人工心臓よりも体への負担が少ない低侵襲な装置です。このままさらに技術が進化して小型化が進み、一時的ではなく半永久的に使用できるような装置が開発される可能性も考えられます。
■バッテリーの進化も必要
たとえばクルマで考えてみると、近年、飛躍的に進化しているEV(電気自動車)は、それまでのガソリン車のようなエンジンは搭載されておらず、バッテリー、モーター、制御装置によって動きます。バッテリーが供給する電力によってモーターが回転し、走行するのです。さらに、回転するモーターは発電機の役割も担って電気を発生させ、バッテリーに送られて再び利用されます。