がんと闘うための「心構え」…動揺や不安を抱えたまま大きな決断をしてはいけない

公開日: 更新日:

②「標準治療」を信頼する

 がんの治療法を選択する際、必ず耳にするのが「標準治療」だ。現在は「手術」「化学療法(抗がん剤)」「放射線治療」の3大治療が基本になっている。

「標準治療というのは、科学的根拠=エビデンスに基づいて、現時点で実施できる最良の治療であることが示された治療のことです。大規模な臨床試験の結果から、有効性が高いことや、副作用の不利益についてもしっかり検討したうえで、一般的な患者さんへの実施を推奨できると専門家が判断した治療が標準治療となります。それぞれの学会が作成した診療ガイドラインで定められています。日本のがん医療は、標準治療とガイドラインの普及によって全体の治療レベルが明らかに向上しました。決して“並でそれなりの治療”ということではないのです」(佐々木氏)

 がん治療では、まずは現時点で最良である標準治療を信頼して、治療に臨むのが基本となる。ただし、たとえ標準治療が効かなくなった場合でも、それで「もう治療法がない」というわけではない。

「現在はまだ標準治療にはなっていなくても、しっかりした臨床発表で良好な結果が示されている治療法もあります。もちろん、患者の不安につけこむような医学的根拠のない民間療法や代替療法ではありません。標準治療に効果がなくなった時点ですぐに緩和医療をすすめられる場合もありますが、医師と患者は、他に適応となる治療法はないか、その病院ではできない治療でも他の施設では可能な方法などについて、一緒に真剣に考えていくべきです」(佐々木氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース