がんを告知されたシングルマザー 入院中に娘をどうすれば…
Nさん(34歳・女性)は4歳の娘、ゆいちゃんと2人で暮らしています。毎朝、保育園にゆいちゃんを預けてから、近所のスーパーで働いていました。
3カ月前から時々不正出血があり、B病院の婦人科を受診しました。すると、担当医から「子宮頚がん」と告げられ、手術を勧められたのです。
「え! 入院ですか……」
Nさんは絶句しました。1週間後の外来診療の際、返事をすることにして、承諾書などの書類をもらって帰ることにしました。
診察室を出たNさんの頭の中は、自分の病気のことよりも「入院中に娘をどうするか」が占めていました。病院を後にして、お迎えのため保育園に向かう途中では、「仕事を休んだら収入がなくなる。治療費はどれくらいかかるのだろう……」といった不安が頭に浮かんできます。
保育園に着くと、ゆいちゃんが走ってきて「ママー」と言いながらスカートに抱きついてきました。その瞬間、ホッと緊張が解けたのか、どっと涙があふれてきました。