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西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

血便と下痢、偏頭痛をなんとかしたいと来院した男性は…

公開日: 更新日:

 40代半ばで潰瘍性大腸炎を発症した典之さん(仮名・55歳)は、真面目で誠実なタイプの方です。4年前、初めて私の元に来られた時、これまで受けていた治療では本人が期待していたほど改善が見られず、方向性を変えたいと訴えられました。持病の片頭痛も、なんとかしたいと言います。

 話を伺うと、効果の高い、最新の薬を「1年で」ということですすめられ使い始めたそうですが、1年を過ぎた後も「思っているほど効果が表れていませんね」と言われ、さらに使用を延長されたとのこと。効果があまり表れていないなら別の治療法はないだろうか、と思ったそうです。

 いろいろ調べる中で、同じ潰瘍性大腸炎を克服し、痛みの治療や統合医療も行っている私を探して来院されたのです。

 私は典之さんに星状神経節ブロックのメカニズムを説明し、視床下部の機能改善と、炎症性サイトカインをコントロールする可能性を理解してもらった上で治療を始めました。

 すでにこの連載で繰り返し説明しているように、星状神経節ブロックは副交感神経のスイッチをオンにして血流を促進し、それによって痛みが緩和したり、免疫機能が向上し、体調の改善が期待できます。

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