著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

糖尿病ではすい臓がんリスクが増加する 発症確率が5.7倍に

公開日: 更新日:

 糖尿病は、今では国民病と言っていいほど増加している病気です。その原因は遺伝や環境などさまざまですが、血糖を調節するホルモンであるインスリンは、すい臓から分泌されているので、すい臓の慢性的な炎症などがあると、それも糖尿病の原因となることがあります。すい臓の病気の中で一番怖いのはすい臓がんで、多くのがんの中でも予後が悪く、早期に発見されることも難しいといわれています。それでは、すい臓がんと糖尿病との間には、どのような関係があるのでしょうか?

 糖尿病ではすい臓がんになりやすい、ということは分かっていても、その詳細は不明でした。今年のランセットという一流の医学・公衆衛生の専門誌に、中国での統計データが掲載されています。

 それによると平均的な比率と比較して、糖尿病の患者さんではすい臓がんになる確率が50%以上高く、特に若い年齢で発症して、糖尿病の期間が長いほど、すい臓がんになりやすいことが分かりました。20歳から54歳の時に糖尿病になった人は、平均的な比率より5.7倍以上も、すい臓がんになりやすかったのです。また血糖値が悪いことも、すい臓がんのリスクを高くしていました。糖尿病では定期的にすい臓のチェックを行うことが、重要になってくるのかもしれません。特に糖尿病の期間が長く、血糖値が高い人は注意が必要なのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇