梅毒の新規感染1万人超で気になる感染経路 性風俗従事者と利用者はどのくらいいるのか
梅毒の感染拡大が続いている。10月23日までの集計で1万141例と感染症法が施行された1999年以降初めて1万例を超え、2021年の同時期の6031例の1.7倍と高水準となった。新規感染者を男女別に見ると、男性6704例、女性3436例で、年代別で目立つのは男性は30~34歳、女性は20~24歳だった。
気になるのは感染経路だ。性風俗が関係しているとの見方があるが、本当だろうか?
実は梅毒は全数把握対象疾患の5類感染症と定められており、診断した医師は1週間以内に保健所に届ける義務がある。19年からは届け出様式が変わり、妊娠の有無のほか、直近6カ月以内の性風俗の仕事をしたことがあるか、利用したことがあるか、を届けることになっている。
実際に22年第3四半期(第27~39週)に報告された新規梅毒患者の中で直近6カ月以内に性風俗で働いた経験があった例は男性55例、女性490例。性風俗の利用歴があったのは男性921例、女性23例だった。
これを22年第1~3四半期通算で見ると、性風俗従事歴は男性154例、女性1239例。利用歴は男性2389例、女性66例だった。
では、その前年はどうだったのか?
21年同時期を調べてみると、性風俗従事歴は男性76例、女性693例。利用歴は男性1255例、女性32例。女性客は前年の2倍以上増えている。