国家資格合格率データを読む(2)医師国家試験合格率と医学部現役卒業
認定制度を使っての国家試験受験合格率は44.8%
また私立では、川崎医科大学(64.5%)、杏林大学(67.5%)、福岡大学(68.2%)などが目立って低くなっています。これらの大学は、多くの留年生を抱えているはずです。
あまり知られていませんが、海外の医学部を卒業した日本人のために、「医師国家試験受験資格認定制度」が用意されています。まず書類審査があり、次に日本語による診療能力の調査が行われます。海外の大学では、授業は当然その国の言葉(ないしは英語)で行われますが、日本で働くからには、日本語の医学用語が使えないとまずいからでしょう。それらをパスすると、国試受験資格が得られます。
書類審査を経て「医師国家試験予備試験」を受ける人も、少数ながらいます。ただし合格しても、すぐに国試を受けられるわけではありません。日本国内で1年以上の実地修練が課せられます。そしてようやく国試受験資格が得られるのです。
認定制度を使って国試を受験する人は、毎年150~200人ほどいます。今年は160人が受け、合格率は44.8%でした。