6種類以上のクスリで「ポリファーマーシー」に陥る危険あり
近年、「ポリファーマシー」が注目されるようになってきました。一言でいうと、「たくさんのクスリを使っていて、副作用や相互作用といったクスリによる有害事象を認める状態」です。高齢者の中にはクスリをたくさん使っている方もいらっしゃると思います。知らないうちに実はポリファーマシーに陥っていたなんてこともあるかもしれないので、ぜひ知っておいてほしい言葉です。ある調査で、「クスリの種類が5~6種類以上になると有害事象の発現率が高くなる」ことが明らかになりました。そのため、ポリファーマシーの「たくさん」とは、おおむね6種類以上を指します。また、6種類以上のクスリを使っていたとしても、有害事象が認められなければ厳密にはポリファーマシーとは言いません。その状態は「多剤」あるいは「多剤併用」と呼びます。ただ、クスリの種類が増えれば当然副作用や相互作用のリスクは高くなるので、多剤自体、ポリファーマシーの最大の要因となります。
多剤、そしてポリファーマシーに至るのにはさまざまな理由があります。以前、「きちんとクスリを使っていない人はクスリが増えやすい」とお話ししたように、それも理由のひとつです。