暑い夏になると高校時代の熱血先生を思い出す やかんを手に巡回
「実践です。プラグマティズムです」
まさに熱血先生です。
■受験票を神棚に積んで合格祈願
この怖い怖い授業なのに、ある時、授業が始まる前、生徒が教室の入り口の引き戸の上にチョークまみれの黒板消しを挟みました。先生が引き戸を開けて入ると、黒板消しが先生の頭に落ちてくる仕掛けです。固唾をのんで見守っていると、黒板消しは頭に落ちず、松木先生の目の前に落ちました。その瞬間、松木先生は黒板消しを足で蹴り、先生用の椅子も蹴り飛ばしてから授業が始まりました。
採点された答案用紙が渡される時もとても怖く、結果が悪いと「スコンク!」(完敗の意)という大きな声が隣の教室にまで響きます。
大学受験の直前になると、先生は職員室の前で神棚に受験票を山のように積んで、合格祈願をしてくれました。私が合格したことを職員室で告げると、松木先生は「よくやった、よくやった」と喜んでくれました。
松木先生は、私たちが卒業後、数年たってある高校の校長に栄転されました。後日、全校生徒の前で行った、その時のご挨拶を録音したテープを聞きました。