アミロイドβの次はタウタンパク質を除去する薬の開発【アルツハイマー病治療最前線】
【どうやって使う?】
まずは脳にアミロイドβが蓄積しているかを確認する。主に使われるのはアミロイドPETだ。アミロイドβに結合する放射性薬剤を静脈注射で投与し、アミロイドβの蓄積の度合いを画像で調べる検査になる。
「早期アルツハイマー病と同様の認知機能低下を示す人の中には、アルツハイマー病以外の認知症もまざっている。アミロイドPETなしでは正確な鑑別が難しい場合があるのです」
ただ、アミロイドPETを受けられる施設が限られているのが難題だ。
アミロイドβの蓄積が確認され、治療開始となると、2週間に1回の通院で、点滴で薬を腕から静脈注射する形になる。
【副作用は?】
「脳浮腫などARIAという副作用が指摘されています。治験では、抗血小板薬や抗凝固薬使用の場合は、出血の発現率がわずかに上回りました」
治療では2カ月に1回はMRI検査で脳を調べ、浮腫があれば薬の投与は一時中止となる。