末期胃がんの父親に、なんとか故郷の景色を見せてあげたい

写真はイメージ（Ｃ）日刊ゲンダイ

「父は静岡県出身で、がんが判明するまでは、『人生の最後は静岡で過ごしたい』と話していたのです。酸素ボンベを使いながら、連れていくことは可能でしょうか？　点滴のある日だと難しいかと思い、日程調整の相談をしたくて……。静岡には車で行こうと思っているのですが」（息子）

「酸素をつけて移動する場合、交通手段をしっかりと準備すれば大丈夫だとは思います。車もある程度大きいものが安心です」（私）

「ハイヤーで、車椅子用のものがよければそれを借りようかなと思っています」（息子）

「どなたが付き添いますか？」（私）

「私と弟とで」（息子）

「ヘルパーさんや看護師さんも一緒に行っていただくという手段があります。その方が安心かもしれない。宿泊先などを教えていただければ体調が悪くなった場合、近隣の病院を紹介できます」（私）

「泊まりでも大丈夫ですか？」（息子）

「体調次第ではあります。ただ、向こうで状態が悪くなった場合も想定して動かれた方がいい。もし、いま介入いただいている看護師さんが対応してくれれば一番安心かと思います。ケアマネさんにも聞いてみていいのかなと。民間で外出時に支援してくれる看護師さんもいます。後は酸素ですね。場所が決まれば、当院から手配できます。酸素ボンベについても、必要量を酸素会社さんに相談しますので、お伝えください」（私）