抗菌薬と一緒に「整腸剤」が処方されるのはどうしてなのか
それでも、整腸剤を処方するのはなぜでしょうか。抗菌薬と一緒に処方される整腸剤の中には、名前の最後にアルファベットの「R」が付けられているものがあります。じつは、この「R」に秘密があるのです。「R」は「resistance」、つまり「耐性を持った」という意味があります。名前に「R」が付けられた整腸剤に含まれている菌は人為的に強化され、抗菌薬に対して耐性を持っているため、抗菌薬と一緒に使用してもやられません。ですので、抗菌薬によって腸内細菌がやられて起こる下痢に対しても予防的な効果を発揮するのです。
では、名前に「R」が付けられていない整腸剤は意味がないかというと、それも違います。そういった整腸剤に含まれている菌は抗菌薬の効果によってやられてしまうのですが、やられてしまった菌(死菌といいます)にもある程度の整腸作用があることがわかっているのです。
ただ、本当に効果を期待するのであれば、やはり名前に「R」が付けられた整腸剤の方が良いと思います。今後、抗菌薬が処方された際には、一緒に処方される整腸剤の名前にも注目してみてください。