夫の最期を共に過ごすために妻は「介護休業」を活用した
その方は前立腺がんを患い、リンパ節や骨転移もされている還暦前の患者さんでした。
すでに終末期と言われていましたが、本人は職場には何も知らせずに普通に仕事をしていたとのこと。ある日、呼吸困難を起こして病院へ救急搬送、入院となりました。そこで緩和ケアについて説明を受けたものの、点滴でつながれて病院で過ごすことに抵抗を感じ、最期まで家で過ごすつもりで在宅医療を選択されたのでした。
在宅医療には奥さまも協力的で、2人の娘さんもひとりは遠方に住んでいますが、もうひとりはテレワークのため日中は家にいて終業後に介護されています。
「ご本人の前では言いづらいですが、情報を見るだけでも、この1カ月もつかどうかというところだと思います。それまで症状緩和で輸血や点滴をするのか、本人のご意向通り何もやらないのか、どうしたいというご希望はありますか」(私)
「今のところはまだ動けちゃってるところがあるので、まだまだやりたくないってことを言うと思います。ただもっと状態が悪くなったら苦痛を取ってほしいってなるかもしれない」(奥さま)