88歳の夫を86歳の妻が介護…いつまでがんばればいいのか
ご近所の老夫婦のお話です。ある日、88歳の夫が突然自宅で倒れ、意識のない状態で救急病院に運ばれました。急性心筋梗塞でした。幸い一命を取り留め、意識も回復。徐々に一般状態が良くなり、医師からは「退院して自宅での生活が可能」と言われました。
しかし、夫は以前からの左半身まひの他、糖尿病、大腸がん手術後の人工肛門の処置などがあり、86歳の妻は「自分が自宅で介護するのは体力的に難しい状況」と思いました。そこで、ケアワーカーがいろいろと手配してくれて、回復期の患者が入院できる今のS病院に転院したのでした。
妻は、とりあえずホッとし、回復した喜びとともに夫の生命力に驚きました。あの時は意識がなく、もう助からないと思ったのが、今は手助けが必要とはいえ廊下の手すりを伝ってトイレに行けるのです。
喜んで転院したS病院では、新たな担当医から次のように説明を受けました。
「いつまた心臓発作が起こるか分かりません。発作が起こったら、命はないものと思ってください。発作が起こった時、この病院では何もできません。場合によっては、前の病院に移って心臓の治療ができるかもしれませんが、それは分かりません。糖尿病というのは血管の病気で、全身の血管がダメージを受けます。ダンナさんは特に心臓の血管がボロボロです」