膝痛とオサラバ!治療最前線(2)痛みがほぼない超早期から「異変」が生じている
「変形性膝関節症」は、加齢などで膝関節の軟骨が徐々にすり減り、骨にダイレクトに衝撃が伝わることで歩行時に膝の痛みが生じる病気だ。やがては膝関節が変形し、安静時も膝が痛むようになる。
最近の研究で、軟骨がすり減る前に何が起こっているかがわかってきた。順天堂大学医学部整形外科学講座・石島旨章主任教授が言う。
「まずは、軟骨同士の間に挟まっている半月板の損傷です」
膝の関節は骨同士が接する面が軟骨で覆われており、その軟骨と軟骨の間に挟まる形で半月板がある。軟骨は骨への、半月板は骨や軟骨へのクッションのような役割を果たす。
「半月板が、上下にある軟骨を衝撃から守っているわけです。ところが加齢などで半月板が傷んでくると、歩行時などの衝撃が軟骨にダイレクトに届き、上下の軟骨を傷つけてしまいます。その衝撃が強くなれば、さらに軟骨の上下にある骨まで傷めてしまいます」
では、なぜ半月板が傷むのか? 石島主任教授は順天堂大学スポートロジーセンターとの共同研究で、その原因を探った。