「全身性エリテマトーデス」ってどんな病気? 症状さまざまで診断困難
月曜連載「病気と共に生きていく」では、これまでに全身性エリテマトーデス(SLE)と共に生きる女性2人に登場いただいている。彼女たちに共通していたのは、不調の原因がなかなかわからず、診断まで時間がかかったということ。SLEとはどういう病気なのか? 順天堂大学医学部付属練馬病院膠原病・リウマチ内科診療科長の天野浩文医師に聞いた。
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私たちの体には異物を攻撃・排除する免疫システムが備わっている。これが異常をきたし、自分自身の正常な細胞や組織を過剰に攻撃してしまう病気を「自己免疫疾患」という。自己免疫疾患には関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病などいろいろあり、SLEは代表的な自己免疫疾患の一つになる。
「SLEの診断が難しいのは、この数値があれば診断に直結するというものがなく、症状が非常に多岐にわたり、一人一人症状も異なることから、総合的に判断しないと診断に至りづらい、という点にあります」(天野医師=以下同)
SLEの典型的な症状は、紅斑や皮疹などの皮膚症状、発熱、関節痛。皮膚症状は皮膚科、発熱は内科、関節痛は整形外科といったように別々の科を受診すると、それらの症状をトータルで見て判断してもらう機会を得づらい。