「全身性エリテマトーデス」ってどんな病気? 症状さまざまで診断困難
「患者さんがたまたま他の症状があることを伝え、血液検査に至ったとしても、膠原病の疑いを持って調べないと、SLEの診断にたどり着きません。そもそも典型的な症状が早期から出てくるとは限りません」
■9割が女性、20~40歳で発症
かつては典型的な症状を中心に1997ACR分類基準が診断に使われていたが、現在はより細かく多くの症状が網羅された2019EULAR/ACR分類基準が用いられている。それによって、比較的早期に適切な診断・治療を受けられるようになった。
とはいえ、連載「病気と共に生きていく」の2人は、診断まで数カ月間要している。全身にさまざまな症状があり、病名がわからない場合は、総合診療科あるいはリウマチ・膠原病科を受診することを考えた方がいいかもしれない。
「早期診断が大切なのは、不可逆的な状態になる前に治療を開始すべきだからです。SLEでは体内に炎症が起こる。腎臓に起これば腎炎となり、ある段階を超えると透析が必要な不可逆的な状態になります。また、脳卒中や心筋梗塞のリスクがある場合、それらを起こす前に治療を開始すれば、回避できる率が高くなります」