あんな真っ白なところに行ったら調子悪くなる…90代独居男性は受診を断固拒否
それでも病院で診てもらった方が、いまある病状も楽になるし、医療費の心配も各種手続きをすれば適切に、安価もしくは無料になる──。そう丁寧に、自治体のケースワーカーさんが説明をしたのですが、病院に行くことをかたくなに拒否していたため、対応に困っていたということでした。
在宅医療を始められる患者さんの多くは、たいがい大きな病院からの退院支援を受け、病院と在宅医療機関との連携により、退院し自宅に戻り在宅医療を開始します。その際それまで入院していた病院から、その患者さんの病歴や検査歴などが載っている診療情報提供書をいただいています。
そのため自宅に帰っても、病院で行われていた医療処置を、できるだけ患者さんの要望を取り入れながらもスムーズに行うことが、訪問診療では可能となっています。
しかし、この患者さんは、これまで必要最低限のことでしか病院との関わりがなく、病気の診断も受けていないために、診療情報提供書はありませんでした。それでも急を要するため、手探りしながらの診察とはなりましたが、点滴をつなげたり冷房をつけるなどの基本的なアドバイスをしたり、患者さんの訪問診察を開始したのでした。