「インスリンボール」ができたときの注意点…重度の糖尿病患者が知っておくべきこと
問題は、長期間インスリン治療を継続している糖尿病患者はインスリンボールができることが多く、それによって血糖コントロールが乱れがちなことだ。
「インスリンボールとは、同じ場所にインスリン注射を打ち続けることでできる皮下に生じる脂肪の塊を言います。大きさはおよそ2~5センチ程度になります。それができた人は同じ場所に注射してもインスリンを体内にうまく吸収できなくなり、血糖コントロールが乱れてしまうのです。また、インスリンボールにインスリンを打つことによって、高血糖が改善されず、医師がインスリン量を増やす指示をして、その結果、思わぬ低血糖を来すことがあります。医師も、診察時にインスリンボールの有無を確認することが重要です」
ならば「別の場所」に注射すればよさそうなものだが、長期間インスリン注射を続けている糖尿病患者の中には、いつもの注射をいつものやり方で行っているのにいつもの結果が表れないことにいらだち、感情的になることも少なくない。「別の場所への注射」をお願いしても「私は悪くない」と言い張り、拒否するケースもあるという。