リンパ腫の免疫療法「CAR-T療法」の劇的効果と超高額薬価
英ロックバンド「ザ・キュアー」のキーボード奏者ロジャー・オドネル(68)がまれなリンパ腫であることを自身のXに投稿。音楽関係者やファンのみならず、話題を呼んでいます。昨年9月に診断され、手術や放射線、免疫療法を経て、いまは「素晴らしい」状態に回復しているのは、何よりでしょう。
リンパ腫の種類や治療法の詳細は分かりませんが、劇的に回復した大きな要因は免疫療法だと思います。今回は、免疫療法について掘り下げましょう。
一般にリンパ腫の治療では、複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法と放射線が中心です。しかし、抗がん剤が効かないと、免疫療法を行うことがあります。その免疫療法のひとつが、CAR-T療法です。彼がCAR-T療法を受けたかどうか定かではありませんが、可能性は高いでしょう。
CAR-T療法は、患者さんの血液から免疫細胞であるT細胞を取り出して、がん細胞を攻撃できるようにCAR遺伝子を導入します。この遺伝子改変によってできたT細胞は、がん細胞の表面にある特定の抗原を認識。結合できるように設計されていて、がん細胞を特異的に攻撃する能力がアップするのです。