高齢者の虫歯予防には「フッ素ケア」が効果あり…海外では70%以上激減したとの報告も

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 こうしたフッ素の虫歯予防効果は、虫歯の大きな原因となる砂糖などの甘味成分の摂取を制限することよりも有効とされている。実際、水道水に含まれるフッ素を適正な濃度に調整したり、フッ素ケアを普及させた海外の国々では虫歯が50~70%以上も激減したとの報告もあるほどだ。

 フッ素は、乳歯でも永久歯でも生えたての歯で多く取り込みやすいため、より効果が期待できる生後6カ月から15歳くらいまでの子供に塗布が勧められるケースが多い。乳幼児に年6回フッ素塗布を行うことで乳歯の虫歯が減少し、虫歯がまったくない3歳児の割合が増加したという研究もある。とはいえ、大人でもメリットは大きく、とりわけ高齢者には有効だという。

「年をとると、歯茎が痩せて徐々に下がっていきます。10年で2ミリ下がるといわれていて、そうなると歯根が露出してしまいます。歯根は、酸に溶けにくいエナメル質で覆われていないため、虫歯になりやすい部分です。虫歯菌が大量の酸を産生する最大の要因である砂糖ではなく、味噌汁のような食品でも虫歯につながってしまいます。そうしたリスクを軽減させるために、フッ素ケアが効果的なのです」

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